対人賠償保険というのは、自動車事故によって他人に対してケガまたは死亡といった損害を与えた場合について、自賠責保険だけでは負担することができないその損害賠償責任を全うするために保険金が支払われるというタイプの自動車保険です。
そのため、保険証券のなかに契約した自動車をいつも運転する人としてその氏名が記載されている記名被保険者を中心として、その他の被保険者がこうした損害賠償責任を負った場合には、補償が及ぶことになっています。
記名被保険者がもし故意によって他人にケガをさせたような場合については、自動車保険の本来の目的である、偶発的な危険に対する備えという目的からは逸脱していますので、当然ながら保険金が支払われることはありません。
ただし、対人賠償保険はあくまでも被害者の保護が第一ですので、記名被保険者以外の被保険者については、場合によっては支払われる可能性があります。
例えば、契約中の自動車を一時的に友人に貸したところ、その友人が故意で他人にケガを負わせてしまったといった場合が想定されます。
こうした場合、貸した側が直接手を下していなかったとしても、法律上は運行供用者責任があるとして損害賠償の請求が及ぶことになりますが、その責任の限度であれば例外扱いにならずに補償が行われます。